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Artists
巻白
巻白
b.1924
バイオグラフィー
巻 白(まき はく / MAKI Haku)
1924–2000
本名:前島 忠明(Maejima Tadaaki)
茨城県出身
版画家
巻白は、1924年9月27日、茨城県麻生町(現在の茨城県行方市周辺)に生まれました。本名は前島忠明。美術学校で正式な美術教育を受けた作家ではなく、戦後に上京した後、創作版画運動の先駆者である恩地孝四郎を中心とした「一木会(第一木曜会)」の集まりに参加し、版画について学びました。恩地の最も若い弟子の一人として、その初期作品には恩地の影響が強く見られます。
戦後は教育者としても活動しながら版画制作を続け、1950年代半ば頃から本格的に作品を発表しました。1957年に日本版画協会展へ初出品し、1958年に日本版画協会会員となっています。
巻白の初期作品では、漢字や古代中国の篆書体を思わせる文字が主要なモチーフとして用いられています。しかし、それらは単純な文字の再現ではなく、文字を形・線・空間として捉え直した抽象的な造形として扱われています。巻白自身も、1966年に「漢字という文化遺産に現代的な感覚を与える」ことについて語っており、日本の書や文字文化を現代版画の中で再構成しようとしました。
1960年代に入ると、巻白は独自の技法をさらに発展させます。木版にセメントを盛り上げて版面に凹凸を作り、それを彫刻・研磨することで、紙に強い立体的なエンボスを生み出す技法を用いるようになりました。さらに油性顔料や紙のラミネーションなどを組み合わせ、通常の木版画とは異なる非常に物質的な表面を作り出しました。
この技法によって、巻白の作品は「見る」だけでなく、紙そのものの厚みや凹凸、光と影によって作品を感じさせる版画へと発展しました。漢字や抽象形態が深く押し込まれた紙面に、赤・青・黄などの色彩や金属的な色が加わり、彫刻にも近い存在感を持つ作品となっています。
代表的なシリーズには、**《Poem》、 《Festive Wine》、 《Collection》、 《Dance》**などがあります。特に1968–69年に制作された《Festive Wine》では、5〜9世紀の古代日本の歌謡を収録した書物のために21点の木版画を制作しました。この作品群は巻白の文字と抽象表現の関係を示す重要な仕事です。
1970年代以降になると、漢字を中心とした表現からさらに広がり、柿、陶器、茶碗、器、亀などの日常的・伝統的なモチーフも取り入れるようになります。それでも、深いエンボスと強い色彩、簡潔な構図という特徴は一貫しています。
巻白は約50年にわたる活動の中で約2,000種類の版画デザインを制作したとされ、その作品は現在、世界各地の主要美術館のコレクションに収蔵されています。ニューヨーク近代美術館(MoMA)、シカゴ美術館、ボストン美術館、フィラデルフィア美術館、ロサンゼルス・カウンティ美術館、英国の大英博物館などにも作品が所蔵されています。
巻白
巻白
stone 2
イメージ:
41 × 27 cm
シート:
46 × 33 cm
巻白
symbol No 1
イメージ:
33 × 24 cm
シート:
39 × 29 cm
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